我が家も愚息の中学受験がようやく終わり、改めて新春のお祝いができました。長男も4月から高校生となります。
さて、これから入試の束縛から解放されて浮かれ気分の時に、「躾」を本格的に始めねばと袖まくりしています。今しかできない大切な話や中学に進学して社会を広げる中で最低限のマナーやTPOを踏まえた立ち振る舞い等を、しっかり子供と向き合って教えてやりたいと思っています。
先ずは、言葉づかいから。
日本語には、漢字一字にも複数の読み方があり、モノを数えるときにも様々な数え方があり、似たような様子を表すにも微妙に異なった言い方があり、雨一つとっても色々な雨があります。外国人だけでなく日本人でさえ、このように複雑で繊細な日本語をマスターし使いこなすことは至難のわざだと思います。しかし、日本人として生まれ日本で暮らす以上、できれば繊細で奥深い日本語を使ってみたいものです。
そこで、少しだけ日本語の奥の深さを見てみましょう。
◆漢字の読み
例えば、「和」の読み
平和(へいわ)
和らぐ(やわらぐ)
和やか(なごやか)
和尚(おしょう)
日和(ひより)・・・熟字訓
大和(やまと)・・・熟字訓
和泉(いずみ)・・・地名
和義(かずよし)・・・人名
など
◆助数詞(モノを数えるときに使われることば)
丁(ちょう)・・・豆腐など
枚(まい)・・・盛りそば、ざるそばなど
膳(ぜん)・・・箸(はし)など
脚(きゃく)・・・椅子(いす)など
棹(さお)・・・箪笥(たんす)など
基(き)・・・墓、古墳、ピラミッドなど
面(めん)・・・鏡、運動場、プールなど
張(はり)・・・テント、蚊帳(かや)など
局(きょく)・・・将棋・囲碁の試合など
など
◆擬態語(ものごとの様子を表すことば)
ヌルヌル・・・ウナギなど
ネバネバ・・・納豆、オクラなど
ネトネト・・・糊(のり)、油汚れなど
ねっとり・・・こしあんなど
ネチネチ・・・しつこい言い方など
など
◆雨の種類
霧雨(きりさめ)・小糠雨(こぬかあめ)・・・細かな雨
篠突く雨(しのつくあめ)・・・激しく降る雨
俄雨(にわかあめ)・・・降ってきてすぐやむ雨
五月雨(さみだれ)・・・旧暦の5月頃に降る雨、梅雨のこと
夕立(ゆうだち)・・・夏の夕方に急に激しく降る雨
氷雨(ひさめ)・・・雹(ひょう)、霰(あられ)、霙(みぞれ)、きわめて冷たい雨
時雨(しぐれ)・・・秋の終わりから冬の初め頃に降ったりやんだりする雨
など
難関校や全国模試の過去問を見てみると、盛りそばの数え方や雨の種類など幅広く一般常識を問うようなものもときどき出題されています。中学受験が終わったとはいえ日本語の奥深さ、知っておいても損はないと思います。
最後に、平安時代初期の名僧である空海が平仮名を創作したという伝承がある、そんな平仮名の50音。
あ ・い 『 愛 』 で始まり、を(お)・ん 『 恩 』 で終わる
言葉には魂が宿る=言霊 ことだま
まだまだ子どもどおしとはいえ、楽しい会話や上面の軽い言葉のやり取りばかりでなく、時には自分の言葉に責任をもって友と語り合って欲しい。日常の会話から、愛情を与え与えられ、恩=(めぐみ)を与え与えられるようなそんな人間関係を少しでも築いてくれたらなと願います。ともすれば簡単に人を傷つけることのできる言葉の力。
そんな素敵な日本語を、私自身も大切にして、出来うる限り、
美しい日本語の会話(大阪弁(笑))の花を、
今年もいっぱい咲かせたいと思っております。