夏の甲子園・リオオリンピックが終わり、一息つく間もなく台風の乱発。何かとざわつく毎日が続きますが、確実に夏が終わろうとしています。本当に暑かったですね。しかしもうしばらくすると確実に猛暑から解放されます。
汗だくになる炎天下の外出、寝苦しい熱帯夜、冷たい物の飲み過ぎによる体調不良…。暑さが原因となる全ての事から解放されると思うと嬉しくなります。でもその一方で、
心の奥に少し寂しい気持ちがあります。
子供の頃の、楽しかった夏休みの思い出を引きずっているのでしょうか。公園に行くときもありましたが、たいてい家の近所で遊んでいましたね。集まってきたメンバーにもよるけれど、鬼ごっこであったり、かくれんぼが面白かったり、野球を狭い路地でやって、近所の家のガラスを割って怒られたりもしました。ごろんとアスファルトの道路に寝転がると、腕や足にじりっと熱い小石が当たって、それがなぜか楽しくて、わいわい言いながらみんなで転がっていたのを思い出します。好みのチームの野球帽をみんなかぶってたなぁ~。
運の良い日には、近所のおばちゃんが出てきて、これでアイスクリームでもみんなの分を買うておいで、と財布を渡してくれる。やったあ!と叫んで近所の駄菓子屋に走ってゆく。おばちゃんのはあずきバーを買うてきてや、という声に振り返りながらも、足は止まらない。菓子屋まで競争するように走っていって、表に出してある冷凍庫のガラスの蓋を開けて首を突っ込むと、それはそれは実に冷気が気持ちいい。どれにしようか迷っていると、店のおばちゃんに早よ閉めんと中のもん溶けてしまうで、と叱られる。僕これっ、うちはバニラ、俺はこっちっと騒ぎつつ、また走っておばちゃんに財布を返して、みんなで道路やアパートの入り口にべったり座り込んでアイスクリームにむしゃぶりついた。感動的な美味。食べ終わったらまた遊ぶ。
夏の終わりというフレーズを聞くだけで、なぜか心がジーンと静かになるようなセンチメンタルな気持ちなるのもそんな懐かしい遠い記憶が無意識にフラッシュバックするのでしょうね。
過ぎ行く夏を思う時、皆さんは何を思い出しますか?
テーマを、夏の終わりと深くすると季節をより細かく分けて楽しむことができます。日本には四季がありますので、その移り変わりを繊細に感じることで、日常の時間をより一層大切にできる気がしますね。
もう、くま蝉は鳴かなくて、つくつくぼうしがどことなく名残惜しげに鳴きだして、かなぶんもいなくなって、赤とんぼがゆらゆらと飛び始める。空には入道雲ではなくて、刷毛で掃いたような秋の雲が出てきて、まだ暑さは残ってはいるものの、もう、夏が終わろうとしていいます。
終わりゆく夏に思いを馳せながら、新たな季節の始まりを心待ちにしてみて下さい。きっと素敵な秋が訪れますよ。