道元禅師の言葉「花開けば必ず真実を結ぶ」に通じます。
念 ず れ ば 花 ひ ら く
苦しいとき
母がいつも口にしていた
このことばを
わたしもいつのころからか
となえるようになった
そうしてそのたび
わたしの花がふしぎと
ひとつひとつひらいていった
母の日が過ぎました。この時節になると毎年心に刻み込まれた母の言葉を思い出します。母の実家のお墓がある 桑名市の浄土宗の寺院で教室を開かれている書家から その思いを掛け軸に揮毫していただきました。それは 、人が隠れるほど大きく、そして力強く私の亡き母への思いを馳せる逸品となっています。
戦前の神宮皇學館を卒業し、国語教師として教鞭をとりながら詩作に従事した坂村真民(さかむらしんみん)、本名 坂村昂(さかむらたかし)の随筆集『念ずれば花ひらく』がもとです。
和歌などによるわかりやすい布教活動をおこなった一遍(いっぺん)の生き方に共感し、詩をつくった坂村真民。
それは、道元禅師の言葉「花開けば必ず真実を結ぶ」に通じます。
長男だった真民さんは、母の苦労を目の当たりにして育ちました。でも、母は「念ずれば花ひらく」という言葉を子どもたちに教え、泣き言ひとつ言わず、子どもたちを育て上げました。母が亡くなってからも、真民さんの母に対する感謝の気持ちは薄れるどころか、ますます溢れます。それが、上記の詩になりました。
「念ずる」、それは心に「想い」という種を蒔くことです。
何事も一生懸命に祈るように努力をすれば、自ずから道は開ける、夢や目標が叶う、という意味です。また、「念」という字を分解すると「今」と「心」になります。これは「目の前にある事を一生懸命やる」ということです。
言葉を換えて言えば「実践」することです。「念」とは、「今の心」であり、「今、目の前にある事を一生懸命にやること」を表します。
念ずれば花ひらく
母の日に限らずに、
「ありがとう」「感謝してます」。そして謙虚に求めながら、念じながら、頑張っていきたいと思います。「今、自分にできること」を確実にやり遂げること、
昨日より今日、今日より明日、成長したいと思います。